豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

結婚はもはや「オワコン」?

現在、国勢調査が行われています。今回は、ネットによる回答が初めて導入されました。やや遅きに失した感はありますが、やはり時代の流れでしょう。

 

前回の国勢調査の際、生涯未婚率が男性で約20パーセント、女性が約10パーセントでしたが、今回はさらに上昇することが確実です。おまけに今や、結婚した夫婦の3組に1組が離婚する時代です。もはや、「結婚」という制度も時代に合わなくなってきているのかもしれません。

 

結婚して家庭を築く理由としては、主に①夫婦が物心両面で支えあう、②子供を生み、養育するために助け合う、③継続した性的パートナーを得る、といったあたりでしょうか。

 

上記のうち、③については、もはや結婚でなくても得られます。となると残る①、②についてですが、②については、最近は子育てに伴う、特に経済的な負担(主に、高等教育にかかる費用)のこともあって、子供を持とうとしない夫婦も増えています。そうなると残りは①ですが、かつてのように「夫が外で働き、妻が家事を引き受ける」いわゆる専業主婦モデルはかなり減っています。理由は言わずもがな、妻を専業主婦にしておけるほどの収入を得ている男性が減ったためです。夫婦共働きですと、家事もできるだけ公平に分担するのが望ましいですが、現実にはなかなか難しいでしょう。「物心両面で支えあう」のは、負担がどちらか一方に偏ってしまっては長続きしません。

 

もはや、結婚という制度は「オワコン」といっても過言ではないと思います。もちろん、本当に結婚したい人はすべきですが、昔のように誰もがすべきものとも思えません。

 

第一、これだけ非正規雇用が広がり、親からの自立もままならない若者が多数いる現在、「結婚して子供を生み育てる」ことが誰にでもできるわけがありません。「フルタイムで働きたいという人は正規雇用で雇う」という、かつての高度経済成長期の雇用慣行を復活させるのも、現実には難しいでしょう。

 

第二に、離婚がごく一般的になってしまったことで、結婚に夢や希望を持つことも、昔に比べて難しくなっています。今は、「恋人がいれば充分。結婚まではしたくない」という考えの人も増えています。

 

第三に、家電製品の進化やスーパー・コンビニの発展に伴い、一人でも不自由なく暮らせる生活環境が充分整っています。特に、コンビニエンスストアで売っている惣菜の充実ぶりは、かつてとは大きく様変わりしました。もはや、「料理のできない一人暮らし男性は、インスタント食品やジャンクフードに頼らざるを得ない」時代ではありません。

 

以上のようなことから考えて、今後も「結婚しない人」「結婚しても離婚する人」は増え続けることでしょう。個人の生き方が多様化すれば、おのずと多様な価値観が認められるようになりますし、それだけ生きやすい社会になりますから、むしろ望ましい方向に向かうことになります。何事も、不変なものはありませんから、この変化も必然なのでしょう。