豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

育児放棄の問題について(祖父母殺害事件の二審判決に思うこと)

祖父母を殺害して現金を奪った、事件当時17歳の少年の控訴審判決が出ました(一審判決と同じ、懲役15年)。この事件の背景には母親の育児放棄があり、少年が祖父母を殺害してしまったのも、母親に命じられて祖父母にお金を借りに行き、断られたのが発端のようです。

 

こうした事件が起きると、報道では加害者の家庭環境の問題がことさらに強調されます。実際今回の事件でも、この少年は育児をする能力がまったくない母親のもとに生まれ、悲惨な生活をしていました。学校にもほとんど通わせてもらえず、一時は一家で公園での野宿生活をしていたこともあったようです。

 

少年のしてしまったことは確かに許されることではありません。しかし、この事件で一番の問題は、「子供を育てる能力のない人間が子供を作った」ことにあるのではないでしょうか?少年の悲惨な境遇も、もとはといえば親のだらしなさが原因です。

 

今や、私たちの社会は、育児に対しての基本を再確認すべきではないでしょうか?マスコミ報道や教育でも、こうした不幸をなくすためにも、「子供を育てる能力のない人間は、子供を作ってはいけません。そんなことをしても、誰も幸せになりませんよ」ということを、もっと社会に広く伝えるべきです。

 

少し考えればわかることですが、子供を育てるのは生半可な気持ちではできません。まともな衣食住を与え、教育を受けさせるには、相応の経済力その他の能力が要求されます。その能力のない人間が子供を作ってしまったからこそ、今回のような事件が起きてしまったのです。

 

恵まれない環境に育つ子供たちのために社会福祉政策を充実させることもむろん大切です。しかし、まず第一に、「子供は育てる能力のある人だけが作るべき」という当然のことを、私たち皆が再度認識すべきではないでしょうか?