豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

地方が衰退する理由について

「地方の衰退」について、マスコミで報じられるようになって久しいです。
シャッター通り限界集落など、ひと昔前にはマイナーだった表現も、すっかり定着しました。


今回のエントリーでは、地方が衰退する理由について考えてみます。


一番大きな理由は、優秀な人材が地方には定着しないことがあげられます。
むろん地方からも優秀な人は出ますが、地方にはそうした人が入学するのにふさわしい大学が少ないことから、多くは大学入学時に都会に出てしまい、そのまま都会に就職します。そうなると、地方に残るのは(非難を覚悟で言えば)彼ら・彼女らより、優秀さでは劣る人が多いのが現実です。優秀な人が少なければ、発展は難しいでしょう。


優秀な人材が地方に定着しない理由は、上記の理由に加え、地方には旧来型の社会が根強く残っていることもあげられます。


例えば、地方の市役所では、採用にあたって地域の有力者のコネがないと難しい、とはよく言われるところです。地方では、大学を卒業した人が、ふさわしい収入を得られる職業といえば、公務員(教員を含む)、もしくは地方銀行くらいしかありません。主な職場である市役所に、コネ採用が横行していれば、優秀な人ほどバカバカしくて敬遠するのは自然な流れです。教員の採用にも、(当事者たちは否定しますが)コネの有無は大きな要素であることは、周知の事実です。


また、地方議会の議員にも、同様のことがあてはまります。
地方の市議会議員になるには、本人の能力よりも、選挙活動に協力してくれるような親類縁者が地元に多くいる人が有利であることは、よく知られています。優秀な人であれば、そのバカバカしさから、地方の市議会議員になどならないでしょう。


このように、優秀な人材ほど、地方からは離れてしまう要素が数多くあります。優秀な人が地域に貢献してくれなければ、衰退するのは当然です。「地方分権」を進めたところで、こうした問題を解決しなければ、結局は効果はないでしょう。