豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

今の時代、「安定した職業」は幻想です

「安定した職業に就きたい」と望む人、「自分の子供には安定した職業に就かせたい」と望む人は多いです。しかし、今の時代には幻想にすぎません。

 

以前は、大企業や役所に就職すれば安定した生活が送れました。終身雇用・年功序列の日本型雇用が存在していたためです。ところが今や、大企業でもリストラや希望退職は珍しくなくなり、かつては官僚養成所の趣さえあった東京大学でも、官僚を目指さない学生が増えているようです。また、東大を卒業して霞ヶ関で働くようになっても、若いうちに転身する人も珍しくないようです。もはや役所も、「生涯続ける職場」ではなくなっているようです(優秀な人に限られるかもしれませんが)。

 

こうした時代にあって、「安定」を求めるのは困難です。それよりも、「変化に対応できる力」のほうが重要ではないでしょうか。ご承知のように、私たちが暮らす社会はかつてないスピードで変化し続けています。昔の考え方にしがみついていては、変化に対応できません。第一、かつての高度経済成長期の頃と、今後の少子高齢化・人口減少社会とでは、前提条件がまるで異なっています。

 

それでも、「自分は変化が嫌い、安定した生活がしたい」という方はおられると思います。その希望をかなえるために、方法は(一応ですが)存在します。「生活していく上での固定費を、できるだけ減らす」ことです。具体的には、「住宅ローンを組まず、車が必要であれば現金払いで購入し、結婚しないか、しても子供は作らず、お金のかかる趣味には手を出さない。外食もできる限り控え、可能なだけ貯金する」ことです。これだけのことをしていれば、仮に勤務先が倒産したり、リストラに遭ったり、給与削減されたりといった事態に遭遇しても、もともと固定費があまりかかっていませんから、生活を大きく変化させる必要がありません。安定した生活が続けられます。

 

また、こうした生活をしていれば、家を持っていませんから、住居の移動を伴う転職もしやすいですし、借金もなく、生活していく上での固定費もあまりかかっていませんから、変化にも対応しやすいです。「安定」も、「変化への対応」も、根本的な部分は同じなのかもしれません。