豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

「職業の選び方」について

学校の進路指導などで、「自分に合った仕事が何か、よく考えるように」と指導されたりします。しかし、職業経験のない学生には、かなりの難題です。

 

第一に、学生(特に高校生)でも知っている職業は、世間に数多くある職業のうちのごく一部にすぎません。その限られた中から、「自分に合う仕事を見つけろ」などと要求するほうが間違っています。

 

第二に、「自分に合った仕事」かどうかは、実際にやってみなければ判断できません。「合う」かどうかは、仕事内容のほかにも、職場の人間関係、待遇、勤務地など、様々な要素がからみ合って決まるものだからです。

週刊誌などに掲載される「人気企業ランキング」は、あくまで人気投票でしかなく、ランキング上位の企業であればどんな人でも合うのかといえば、そんなことはあり得ません。

 

第三に、仮に「自分に合う(と思う)仕事」が見つかったとしても、その仕事に実際に就けるかどうかは別問題です。というよりは、「自分に合う(と思う)仕事」に就けることのほうが少ないでしょうが。

 

「自分に合う仕事」を考えるにしても、より具体的に「終日機械を動かしたり、車を運転したりする仕事より、人を相手にする仕事のほうが良い」あるいは「給料はそれほど良くなくても、転勤がなくて地元で働き続けられる仕事が良い」もしくは「外資系金融機関のように、ハードでもリターンの大きい仕事がしたい」といったところまで踏み込んだほうがよいのではないでしょうか?単に「自分に合う仕事」では漠然としすぎています。

 

そして忘れてはいけないことは、仕事に就く際は、当初の希望がかなうことはほとんどない、ということです。厳しいですが、実際多くの人はそうなっています。「自分に合う(と思う)仕事」を考えることも大事ですが、それ以上に、この現実と正面から向き合い、「実際に入れたところでベストを尽くす」心がけのほうが大切ではないでしょうか?

入れた職場が合わないように思えたとしても、仮に後で転職をすることになったとしても、こうした気の持ちようでその後の展開は変わってくるように思えますが、いかがでしょうか?