豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

「楽な生活」が「楽しい」とは限りません

人間誰しも、苦しい生活よりは楽がしたいものです。しかしながら、「楽な生活」が「楽しい」とは限らないものです。

 

例をあげれば、「親元暮らし」と「一人暮らし」です。親元暮らしは確かに楽です。経済的な面はもちろんのこと、家事も母親がしてくれるという場合が多いでしょう。それに比べて、一人暮らしでは家事はすべて自分でしなければなりませんし、経済的な負担も実家住まいよりは大きくなります。

 

さまざまな利点のある親元暮らしですが、このような例で考えてみます。40代の女性が2人います(仮にAさん、Bさんとします)。Aさんは独身で親元暮らし、Bさんは結婚していて、旦那さんとお子さんがいます。

 

この2人を比べてみたとき、Aさんのほうが楽ができます。Bさんは家族のために、やらなければならないことが山積みです。最近は家事に協力的な旦那さんも増えてはいますが、実際はお母さんにかかる負担がより大きい、という家庭が大半ではないでしょうか。

 

この例で考えてみたとき、「楽な」Aさんのほうが楽しそう、と考える人は少ないのではないでしょうか。確かにさまざまな考え方がありますが、40代の未婚女性が親元で暮らしていれば、世間の目もやはり厳しくなります(「嫁にもらってくれる人がいないのかしら」などというように思われることは必定です)。また、子供が40代であれば、今まで子供の生活を支えてきた親のほうも、近いうちに介護が必要になったりするかもしれません。そのような場合に、今まで親に頼りきりであったAさんが、どのように対処するのでしょうか。何より、「40代未婚」という状況を、好ましいと考えて自ら選び取ったという女性が、はたしてどれだけいるのでしょうか?

 

同じことが、男性にも当てはまります。生涯結婚しなければ、自分一人暮らせるだけの収入があればすみます。奥さんや子供を養うお金がいりません。加えて恋人もいなければ、デート代や旅行に行ったりするお金、プレゼントを買うお金も不必要です。そうなれば、あまりシャカリキになって働く必要もありません。独身で親元暮らしをしていれば、食い扶持だけ最低限稼いで、あとの時間は自分の趣味に没頭することも可能です。

 

しかし、こうした生活を望ましいと重い、「自分もそうしたい」と考える男性はごく少数でしょう。理由はやはり、「楽ではあっても楽しくなさそうだから」ではないでしょうか?