豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

「住宅ローン」と「子育て」は、熟考が必要です

最近はかなり変化しましたが、いまだに「家を持って一人前」「子供を育てて一人前」などという、時代に合わない考え方をしている人がいるようです。しかし今や、「住宅ローン」も「子育て」も、かつてに比べると相当に熟考を要する問題になっています。

 

まず「住宅ローン」です。多くの場合、家(やマンション)を買うには数千万円が必要になり、たいていの人はローンを組みます。しかも、約30年という長期ローンです。昔の、「終身雇用・年功序列」の時代であれば、30年のローンを組むのも、それなりに合理的でした。最悪の場合、ローンが残っても、退職金で返済する、ということも可能でした。

 

しかし今や、30年もの長期にわたって雇用を保障してくれる職場などありません。かつての花形産業だった大手家電メーカーが、大規模なリストラを続けているのがその一例です。もはや、「新卒で入った会社に定年まで勤めあげ、相応の額の退職金を受け取れる人」はごくわずかです。

こうした時代になっても、「30年ローンを組んで家を買う」ことが、はたして賢明な行動でしょうか?

 

次に「子育て」です。こちらも、昔であれば、年を追うごとに収入も増えましたから、子供を育てるのに十分な収入を得られました。しかし今や、非正規雇用が労働者の約4割を占めています。非正規雇用の場合、年を追うごとに収入が増えることはほとんどありません。そればかりか、雇用も不安定です。

よしんば正規雇用の職に就けたにしても、かつてのように右肩上がりに収入が増えることは望み薄です。おまけに、先述のように、いつリストラや希望退職があってもおかしくありません。

 

住宅ローンを組めば約30年も払い続けなければならないのと同様に、子供も生まれれば約20年間養育し、教育を受けさせなければなりません。「自分に子供をきちんと育てられるだけの経済力(など)があるかどうか?」を熟考してから子供を作っても、決して遅くありません。

 

近年、子供への虐待が急増しているのも、そうしたことも考えずに子供を作り、育児の負担に耐え切れなくなった親が増えたから、というのが大きな要因ではないでしょうか?