豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

無知だと損します

最近の新卒就職は「売り手市場」のようで、ほんの3~4年前にはかなりの就職難だったことを考えると、隔世の感があります。

 

しかしながら、雇用の「質」については、さほど改善されていない、という話もよく聞きます。求人が多いのは、飲食業や介護職のような、離職率の高い不人気業種のようです。

 

一昨年(2013年)の新語・流行語大賞のトップ10に、「ブラック企業」というのが選ばれました。いうまでもなく、従業員を劣悪な労働条件で使い潰す企業のことを指します。

 

いったいなぜ、ブラック企業などというものが世にはびこるのでしょうか?その大きな要因は、雇われる側の無知にあると思われます。

 

たとえば、「どのような場合に残業代が支払われるか」「どのような条件を満たせば有給休暇が取得できるか」と問われて、即答できる人はどのくらいいるのでしょうか?

あるいは、雇う側が違法行為をしたとして、どのように対処すべきか知っている人はどのくらいいるのでしょうか?

そもそも日本人の何パーセントの人が、「労働基準監督署」という機関について知っているでしょうか?

 

たとえおかしなことであっても、雇われる側が声を上げなければ、雇う側は改めません。やはり無知だと損します。

 

日本では、残念なことに、労働者の権利についての詳しい教育は学校では行われていません。せいぜい、中学校の「公民」や高校の「現代社会」「政治・経済」の時間に、労働三権について少し教わるくらいでしょう。だとすれば、自らの身を守るためにも自分で学ばなければなりません。幸いなことに、最近はブラック企業の問題がマスコミでも大きく取り上げられるようになり、今野晴貴氏の「POSSE」をはじめとする、労働問題に対応してくれる団体も出てきました。

 

万が一、自分や周りの人がブラック企業の罠にはまってしまったら、こうしたものを有効に活用しましょう。そうしたことが、皆が働きやすく、住みやすい社会を作ることにつながっていくのですから。