豊国男の日記

日常生活の中で、考えついたことを綴ります。テーマは雑多な分野に及びます。

「サラリーマンであることのメリット」について

近年、ブラック企業非正規雇用の問題が、テレビや新聞でしばしば取り上げられているせいか、「サラリーマン」であることのデメリットがとかく強調されているような気がします。今回のエントリーでは、それとは逆に「サラリーマン」であることのメリットについて考えてみます。

 

第一のメリットは、毎月決まった給料が入ってくることです。自営業者は、売り上げが減れば当然収入も減ります。事業を営む上での固定費(テナント料、人件費が主なものですが)は、毎月ほぼ決まっているためです。

 

第二に、「仕事能力の差による収入の差が、さほど大きくない」ことです。社長と高校を卒業したばかりの新人とを比べても、給与の差はせいぜい数倍といったところです。

 

第三に、自営業者に比べれば、仕事の結果について厳しく問われることもそれほど多くないことです。自営業者の場合、自分の生活を維持できるだけの売り上げを上げ続けなければ、廃業せざるを得ません。サラリーマンの場合、自分の会社が赤字になったとしても、ただちに職を失うことはあまりありません。倒産して職を失うことはありますが、よほどどうしようもない場合に限られます。しかも、自営業者であれば、廃業しても借金が残れば返済し続けなければなりませんが、サラリーマンであれば、会社がどれだけ巨額の負債を抱えて倒産しても、いっさい支払う必要がありません。

 

現実に、今の時代は個人経営の自営業者にとっては、きわめて厳しいです。地方の商店街がシャッター通りと化したのが、そのことを雄弁に物語っています。「跡継ぎがいない」から廃業したお店は少なくないでしょうが、子供が後を継がない事実を見れば、もはや個人経営の自営業者で生計を立てていくのが困難であるのは明らかな事実です。

 

実際、親の職業を継がなかった自営業者の子供は、どのような職業に就いているのかといえば、おおかたはサラリーマンになっているのでしょう。

 

他にも、サラリーマンであれば、少なくとも週に1日は休みがありますが(なければ雇い主が法律違反をしています)、自営業者は休めばその分売り上げが減りますから、安易に休むわけにいきません。実際、チェーン系の店舗でも、個人経営の店舗でも、週に1日も休んでいるところは少ないはずです。

 

以上のようなことから考えて、「就職できなければ起業すればよい」、「サラリーマンは組織にしばられるから、自由に生きられない」などといった声に、安易に惑わされないように気をつけましょう。

 

むしろ、「週に1日くらいは休みが欲しい」、「収入に波があるのは嫌だ」、「自分がそれほど優秀だとは思えない」という方(ほとんどがあてはまるのではないでしょうか)は、サラリーマンになったほうが満足できる生活が送れます。自営業者・フリーランスの世界は、サラリーマン社会よりもはるかにシビアなのです。